研究課題
本研究は、ユビキタスネットワークの実現で欠かすことのできない技術である無線センサネットワークにおいて、通信制御技術とネットワーク上の情報統合で効果的な手法を開発することを目的としている。本研究では、「クラスタリングによる低消費電力プロトコル」、「適応的ルーティングプロトコル」、「ディジタル変調方式における省電力・通信品質改善手法」の3つの項目について研究を遂行した。「クラスタリングによる低消費電力プロトコル」では、前年度に提案した「近傍ノード数に基づく手法」に新たに"long-term sleep"という概念を導入した。これはセンサノードが多い領域において、余剰と思われるノードを自律的に休止させるという手法である。これによりネットワークの稼働時間を改善した。「適応的ルーティングプロトコル」では、情報収集効率と負荷分散に優れる複数のシンクノードを配置したネットワークモデルにおいて、適応的ルーティングプロトコルを提案した。ルーティングテーブルの構築においてノード密度を考慮するとともに、経路選択に適応的温度調整を伴うボルツマン選択を用いることで、ロバスト性に優れる多様な経路構築を可能とした。「ディジタル変調方式における省電力・通信品質改善手法」では、送信機の増幅器の省電力化に貢献するOFDM信号のピーク電力抑圧法において従来法より優れる手法を実現した。提案法は、ピーク電力を抑圧する送信シンボルの組み合わせの決定にGAを用いる手法において、GAの処理を高速化するとともに抑圧性能を改善した。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)
"Intelligent Automation and Computer Engineering." S.-I.Ao, O.Castillo and X.Huang(Eds.), Lecture Notes in Electrical Engineering, Springer-Verlag
巻: 52 ページ: 231-242
IAENG International Journal of Computer Science
巻: 37 ページ: 296-303
Proc.of The World Congress on Engineering and Computer Science 2010
ページ: 186-191