類似検索の性能向上に関しては、局所的に非線形な構造(多次元空間の測地線を距離とした隣接グラフ構造)に着目し「多様体ランキング」による性能向上を達成した。こちらでの性能向上は非常に劇的で、我々が既に開発していたMFSD(Multi-Fourier Spectra Descript or)と併用することで、ほとんどすべてのベンチマークデータに対して(人間による事前学習を行わない三次元物体の類似検索の中で)世界最高性能(ベンチマーク全体の平均で)を達成した。こちらの手法に関しては、情報処理学会論文誌に投稿後、採録され出版された。 検索に係る知的な処理としてクラスタリングに関する研究も行った。クラスタリングをうまく利用すると、類似検索で検索クエリの物体と類似する類似度の高い物体から、形状は類似しないが、特徴量が類似する物体を散策結果から排除でき、精度向上が達成可能である。クラスタリング手法自体に関しては、画像の特徴量の研究で利用されているスペクトルクラスタリングを改良したMSC(Modified Spectral Clustering)を開発した。この技術に関しては現在、国際論文誌に投稿中で、採録通知をもらっている状況である。
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