| 研究概要 |
国際会議に参加することが不慣れな研究者や大学院生を支援するため,平成20年度に開発した,ワークフロー管理とナレッジ共有機能を融合させたシステムを大幅に発展させ,スケジュール管理機能も一体化したシステムの設計と試作を行った.国際会議への参加では,参加予定の会議のスケジュールに合わせて論文執筆や旅行の手配などを適切なタイミングで実施する必要がある.そのためスケジュール管理が極めて重要である.そして現在では,スケジュールを管理するためにWeb上のサービスの利用が増えつつある.そこで本研究課題では,参加予定の国際会議のスケジュールにあわせて,利用者が通常利用しているスケジュール管理サービスに,通知機能を設定したイベントを追加することで,適切なタイミングで作業(行為)の実施を促すことができる支援機能を実現した.一方,電子メールは研究活動においても不可欠なツールであり,ほとんどの研究者が日常的に利用している.そしてホテルの手配など国際会議への参加のためにも多用される.そのため本研究課題では電子メールとの連携を実現し,本システムにも電子メールを送信することにより,そのメールメッセージをナレッジとして共有可能にする機能を実装した.本研究課題の代表者や分担者らが参加した国際会議において本システムを試用し,(平成20年度に実装した機能により蓄積される)Web検索で利用された検索語や送信された電子メールと,国際会議の参加のために実施した作業の記録とを照合すると,それらの内容からどの作業を実施しようとしていたのかがある程度理解できることがわかり,Web上のサービスや電子メールなど日常的に利用されているツールをシステムに取り入れる価値は十分にあると認識した.さらに,情報系学部の卒業研究支援への応用や情報の関連性を重視したスケジュール管理の検討も行った.
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