研究課題
平成22年度では、没入型表示装置やセカンドライフを利用したVR(人工現実感)技術により、CGキャラクタによる舞踊、祭り、能のような無形文化財のデジタルアーカイブやインタラクションが可能なシステムを構築した。まず、3画面の等身大没入型表示装置に立体視を提示するためにVizardソフトウェアを用いて、CGコンテンツを実時間に3D表示できるようにした。モーションキャプチャから収録した演技者の動作データをもとに演技者のCGアバターを3D MAXを利用して制作した。Vizard環境に、CGアバターを再現するためにCGキャラクタのデータをCAL3Dフォーマットに変換した。構築したシステムに再現されるCGアバターは高品質のCGをもち、モーションデータに基づいてCGアバターの動作が正確に表現できた。セカンドライフ環境では、能舞台や能演技を再生できるようにシステムを構築した。インターネットをベースにして動くセカンドライフの特性を用いて世界のユーザが構築されたシステムで行われる能演技を観覧できるようにした。能舞台は西本願寺にある北能舞台を対象にしてCG化を行った。能演技は約40年経歴をもつシテの「歌占」仕舞をモーションキャプチャしてBVHフォーマットに変換したデータをCGアバターに再現した。セカンドライフの環境では、「歌占」仕舞の歌詞を提示するシステムも構築し、能をよく知らない人も理解できるように工夫を行った。このようなシステムを活用して日本伝統無形文化財の理解と情報発信を広がる機会になると期待する。
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Transactions of the Virtual Reality Society of Japan
巻: Vol.15,No.3 ページ: 379-388