研究概要 |
パーソナル情報管理システムにおける異種性を持つ大量の情報を組織化,次に,関連する情報の統合化を行い,無用な情報重複や不整合が生じるのを防げるグラフ構造によるデータモデルの提案を行った。このモデルによる構築される異種型情報の検索手法として,誰もが容易に活用できるようにキーワード入力のみの検索手法を用いた場合,「検索結果になりうるデータ部分」を求めるために必要な検索モデルの理論を検討した。 リレーショナルデータベースをグラフ構造を用いて表現し,次に,その構造に対してキーワード検索を行い,グラフの一部を適切な解として見なす研究がすでにある。これらの研究では,検索結果の単位が,検索時に指定される全てのキーワードが出現する極小サブグラフ,即ち従来の“minimality"に基づくものである。しかし,パーソナル情報管理システムにおける異種性を持つ大量の情報を表現するグラフにおいては,検索キーワードが出現するノード数が必ずしも1には限らず,利用者にとってより適切な解は,極小サブグラフを更に拡大する必要がありうると考えられる。そのために,本研究では,従来の“minimality"概念に基づいたアプローチによる検索結果の単位の決定法が不十分である。そこで,“beyond minimality"概念による検索結果の単位を生成するために必要な代数的な演算の検討を行った。今後,これらの演算の形式化,つまりその代数的な性質などを検討していく予定である。
|