研究概要 |
本研究では, オントロジを用いて「モノの意味記述」, 「モノ間の関連情報 (関連性, 依存性,類似性など) 」を表現する「モノデータベース」を整備する. 同データベースを整備し, 同一種類のモノだけでなく異種類間のモノに対して横断的にその実体及び意味情報をユーザに提示・提供するためのプラットフォームの構築を目指す. 本年度は(a)モノの意味情報処理, (b)ユーザ特性の利用, (c)モノへの気づき提示, について研究を行った. (a)としては, 小規模なモノデータベースの構築を行った. アイテムとしては, 高齢者にとって危険な日常生活品や食材情報に関して, 約100品目分構築した. そのデータベースの意味間の連結化機能の応用として, 「レシピ推薦機能」を構築し, 小規模ながらもモノデータベースの有用性を示した. そのことについて学会発表を2件行った. (b), (c)としては, ユーザモデルの改良, 「音」による気づき支援の改良を行った. 前者については, ユーザの冷蔵庫や戸棚の開閉情報といったユーザの環境情報 (もしくは動作情報) を組み込んだ. 後者については, 改良したユーザモデルによってユーザの状況を推定し, その状況を代表する「効果音」を用いて, 気づき支援システムを作成した. システムの実利用を考慮し, 音による状況を伝える能力や環境音 (例えば, テレビをつけた状態) の有無の影響などについて実験を行い, システムの有用性とその問題点を明らかにした. これらについて, 雑誌および学会発表に各々1件行った. これらによって, 次年度の構築する試作システムの基盤部分の構築を行った.
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