研究概要 |
本研究では,オントロジを用いて「モノの意味記述」,「モノ間の関連情報(関連性,依存性,類似性など)」を表現する「モノデータベース」を整備する.同データベースを整備し,同一種類のモノだけでなく異種類間のモノに対して横断的にその実体及び意味情報をユーザに提示・提供するためのプラットフォームの構築を目指す. 平成22年度は,これまで研究を行ってきた「ユーザ特性の利用法」と「モノへの気づき提示手法」を統合したシステムの構築及びその評価を行った年度前半は,特に統合システムの構築を行い,後半にはその評価を行った.評価の結果,「被験者が任意の作業を行っているときに,その作業の邪魔をせず,かっ,的確に被験者に対し,的確にモノへの気づきを提示することが重要である」という知見を得られた.その知見に基づき,「作業への集中を阻害しない気づき支援手法」について研究を行い,その成果を発表した.各研究項目について,以下の研究を行った. ・モノの意味情報処理について 平成21年度に構築した「高齢者にとって危険な日常生活品や食材情報」のデータベースを統合システムのモノデータベースとして用いた.そのデータベース(特に,食材情報)を利用した「レシピ推論」について研究をコミュニケーション支援に適用し,その成果を国内及び国際学会にて,2件発表を行った. ・ユーザ特性の利用について 実験シナリオ(「高齢者によって危険なモノや状況への気付き」)について,前年度までに構築した危険物に関するオントロジーの充実を行った. ・モノへの気づき提示について 大学内の実験施設に,3次元位置計測データと連動する形で,指向性スピーカを制御する気づき支援システムの構築を行った.前年度の実験施設での3次元位置計測器が故障への対応に伴い,「超指向性音響スピーカによる音による気づき支援」の部分については単独システムとして構築した.
|