研究概要 |
主観評価で使用する実験システムを構築するとともに、3次元CG技術により動画のテストパターンの生成法を確立して、予想される奥行き知覚について基本確認を行った。 1,実験システム構築:小型液晶ディスプレイ上に表示したパターンをレンズ系とハーフミラーを用いて、被験者の前面の風景に重畳して観察可能に被験者に提示できる光学系、ならびに光学シースルー型のヘッドマウントディスプレイにテストパターンを視差画像として前面の風景に重畳して被験者に観察可能に提示できる光学系を製作した。 2.基本原理の確認:上記実験システムを用いて、被験者の移動速度、パターンサイズの時間的変化率、パターンの像位置をパラメータとした主観評価実験を実施した。実験の結果、まず、テストパターンを運動視差が支配的となる10m以上の固定位置に表示し、パターンの知覚位置がそのサイズの時間的変化率と被験者の移動速度に依存すること、すなわち人工的運動視差により制御できることを確認した。また、両眼視差が支配的と言われている10以下の距離にテストパターンを表示しても、人工的運動視差によりパターンの知覚位置を制御できることもわかった。これは予想外の結果であるが、光学系を小型化する上で好都合の結果である。
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