研究概要 |
本研究はペン入力ユーザインタフェースデザインに関するものである.具体的には、ペンの入力制御能力に関する基礎実験及びペン操作技法のデザインのそれぞれについて研究を行った。ペンの入力制御能力に関する基礎実験では,人間が圧力,ペン傾き操作できる範囲・値を被験者によるパーフォマンスとアンケート評価の両者から求めた.基礎実験に基づき,いくつかのペンに適した操作法を提案し,従来の操作法に比べて有用性を実証した.主な成果を次に要約する.(1)ペンの圧力と傾きに対するコントロール能力・特性を明らかにした.(2)ペンの特徴を生かした,ユーザインタフェースの基本操作(選択・ナビゲーションなど)をペンに向いた自然な操作技法を実現した.具体的には,微小なターゲット(シングル・マルチターゲット)を迅速かつ正確にペンで選択する,いつくかの方式を提案し,それらの有用性を実証した.ペンに適したスクロール操作法を提案し,その有用性も実証した.本研究は,ペンインタラクションに関する基本操作用の新規なアルゴリズムを提案し,ペン入力の優位性(直接指示と直接操作という特長,特にモバイル環境など)を生かし,自然かつ効果的なユーザインタフェースを実現したもので,ペンインタフェースにして研究および応用するための有用な知見が明らかになり,ペン入力操作法に関して工学上,特にペンコンピューティングのユーザインタフェースデザイン上貢献するところが大きい.
|