研究概要 |
研究代表者と分担者は,前年度の成果を継続し「アンビエントなコミュニケーション支援手法」の1つとして,ユーザ動作を利用する支援インタフェースと,対面/遠隔型両方に活用できユビキタスラーニングが実現できる双方向型授業支援システムを実装し,新たな支援モデルの提案・評価を進めた。 ユーザによる操作の代わりにユーザ動作を利用して挙動する拡大支援のシステムについては,実際の使用においてユーザに与える負担がなるべく軽減されるよう,ユーザ動作を利用する理由,実際に利用するユーザ動作の種類,利用するためにユーザ動作を検出して理解する方法について考察した。実際に毎日2時間以上PCを使用する40~60代の男性被験者5名に使用してもらい,マウスポインタの移動距離の総量とクリック回数の評価を行い,従来型のシステムを利用した場合の操作量との差異を検証したところ,ユーザによる操作の負荷軽減効果が確かめられた。 一方,双方向型授業支援システムについては,学生が自らの学習進度に応じて,あたかも教師が見守ってくれていて与えてくれているように感じられるチュータリングシステムの構築を目指して,40名クラスでの講義や男性教員が夜間に入ることの出来ない女子寮と教員研究室間での夜間補習授業の実践を試行し,いつも教員が見守りつつ,個のレベルに応じて適切なヒント等がもらえるなどの一方向ではない教員との時間の共有感が,講義に対する集中力や学習意欲の向上に結びつくことが分かった。 これらは実装システムの特徴である遠隔空間間や多地点間,接続台数や要素が頻繁に変化する柔軟なシステムとなっている。
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