研究概要 |
研究代表者と分担者は,前年度の成果を継続し「アンビエントなコミュニケーション支援手法」の1つとして,ユーザが必要とするときにそれとなく(押し付けがましくなく)支援できるネットワーク型相談相手・気づきシステムの実証について,システム技術としての理論的なアプローチとアプリケーション側からのアプローチを有機的に結合させて検討を進めた。具体的な支援モデルの評価は以下のようなものである。 1.ユーザのイベントを利用した遍在学習環境下における新しい双方向型授業支援システム 2.ユーザの動きに感応して支援モードを変化させるインタフェースシステム(ユーザの注目点を誘引する窓/メタファ活用スレート型/半球ディスプレイ型操作インタフェース) 前者は,我々が構築した双方向授業支援システムを教員と学生が偏在している環境,具体的には教員が自宅に居て女子学生が本校敷地内の女子寮と自宅に居る,複数の分散遠隔状態の自主学習指導に本システムを1年間継続して利活用し,ユーザ評価や学習者個々の成績の推移等の分析から,遠隔であっても双方向で常に教員に見守られている感覚が学生のやる気を引き起こす要因であることが分かった。また,対面での指導と変わらぬ効果があり,自主学習支援に効果があることも分かった。 後者は,ユーザが遍在している環境下で個々のユーザ状態を把握するべく,ユーザ状態に応じて優先度を自由に変化させられるGUI窓インタフェースを提案試作し,ユーザの注目点を惹きつけ合うことで遠隔空間間のコミュニケーション支援に発展できることが期待できた。また,インタフェース部のみに着目して,複数のスレート型デバイスの動きや位置情報を組み合わせて情報を入力し,複数のスレート型デバイスのディスプレイの表示情報を連携させたり,半球型手元拡大操作支援デバイスの発展形の実装を検討したりしている。
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