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2008 年度 実績報告書

言語起源の根本問題に対する創発的言語観に基づく構成論的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 20500131
研究機関名古屋大学

研究代表者

有田 隆也  名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (40202759)

キーワード言語進化 / 創発システム / 進化言語学 / 進化ゲーム / ボールドウィン効果
研究概要

1. シグナリングに基づく交渉とゲーム戦略決定という2段階から構成される枠組みを用いたエージェントベースモデルを設計し,ゲームの利得に基づいた進化シミュレーションを行った.その結果,譲る合図を示すタイミングで調停する「収束型」と両者のシグナルの共振で調停する「振動型」という2つのコミュニケーションの型が創発した.さらに,それらのコミュニケーションを明らかにするために情報量などの指標を用いて分析した.
2. 個体間相互作用に起因する動的環境としてコミュニケーション能力とその学習可能性(表現型可塑性)の進化を取り上げ,個体ベースモデルによる進化実験に基づいて,ヒトの言語能力に代表されるような複雑かつ適応的なコミュニケーション能力の進化可能性に学習が果たす役割について検討した.個体が学習しない比較実験ではコミュニケーションレベルは増加しないが,学習する場合ではボールドウィン効果が繰り返し生じ,集団が段階的に高いレベルを獲得していくことが示された.
3. 心の理論,感情,言語などを「作って理解する科学」がいかなるものか,その方法論的な根拠,科学としての根拠を検討した.特に,従来の枚挙的帰納法や仮説演繹法とは大きく異なり,創発現象を重視しながら,要素間の関係や動的特性を計算論的,あるいは数学的に記述し,計算機の中で時間発展させ,興味深い創発現象を起こし得たときに,その挙動を従来の仮説や法則の中に位置付けながら解釈することによって,従来の検証のループに代替するプロセスを構成し,科学としての根拠を持ちうることを示した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] コミュニケーションの創発2009

    • 著者名/発表者名
      有田隆也
    • 雑誌名

      計測と制御 48

      ページ: 39-46

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 人工生命モデルによる構成的研究の方法論2009

    • 著者名/発表者名
      有田隆也
    • 雑誌名

      人工知能学会誌 24

      ページ: 253-259

    • 査読あり
  • [学会発表] How Learning Can Guide Evolution of Communication2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木麗璽
    • 学会等名
      Artificial Life XI
    • 発表場所
      ウィンチェスター(イギリス)
    • 年月日
      2008-08-06

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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