研究概要 |
本研究では,情報システムを用いて人間の認知過程に好影響を与え,知的能力の発揮を活性化するための支援内容を明らかにすることを主眼においている.このため,技術開発のみに陥らないようシステムの開発は適宜.被験者による運用評価をうけ,システム開発にフィードバックしながら進める計画を立てている.平成21年度は,前年度のパイロット評価をシステム開発にフィードバックし,組み入れた支援機能の洗練と新たな支援機能の設計・実現に取り組み,次年度の本評価を行う準備を整えた. 1. メタ学習を促すガイダンス情報提供機能の洗練:前年度に実施したパイロット評価に基づいて,自己の学習文脈に即した自己内対話を促すガイダンス情報提供機能を改良・洗練した. 2. メタ学習コミュニケーションを促すインタラクションログ可視化機能の実現:(1)で実現したガイダンス情報を基礎として学習者とシステムの間でなされるインタラクションは,本来は学習者の頭の中でなされる潜在的なメタ学習プロセス(学びに関する意思決定)の表出化と捉えることができる.協調学習におけるメタ学習コミュニケーションを支援する機能としてこのインタラクションを可視化する機能を実現した. 3. メタ学習の議論ナビゲーション機能の設計と実現:メタ認知実施のノウハウは,学習者間・学習者と指導者間での学習を目的としたコミュニケーション上で学習対象のコトとしてとりあげることが難しいという問題がある。学習者が設計した学習プロセスに基づいて,メタ学習に関する議論を促すためのメタ学習コミュニケーションのナビゲーション機能を設計し,これを実現した.
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