研究概要 |
(1) 演繹的・発想的議論やhybrid argumentation等を要素技術に持つ応用システムの構築(全員) 昨年度議論に基づくマルチエージェントの交渉システムとして譲歩と妥協の形式化を研究し,「条件提示による譲歩」と「信念棄却による譲歩」の方法を提案,更に提案手法に基づき電子商取引を行うマルチエージェントシステムを発想的議論を用いて実装した。対象とする電子商取引の問題では,交渉するエージェントの知識にプリファレンス,及び一貫性制約が必要となり,それらの知識を議論で扱えるpreference-based argumentation frameworks(PAF), constrained argumentation frameworks(CAF)とその意味論を提案、その成果をArgMAS2010の国際会議で発表した。本論文の改訂版は今年5月頃にSpringer LNCS, Vol. 6614で出版される。 議論意味論を拡張し,異なるプリファレンスを持つ人の間でどのような結論を選択すれば全員が納得する結論が得られるかを計算する実践的議論意味論を提案した.この意味論によって,議論のプリファレンスとパレート最適性の2つの要素を1つの枠組みで扱うことができることを示した. 日本語の議論を分析するツールJAraucaria,及び,EALP上の議論計算エンジンを昨年度開発したが、今年度(2010年度)は後者をJAraucariaに統合し、自然言語議論分析からELP上及びEALP上のDung意味論に基づく議論判定計算までを1つのJAraucariaツール上で計算可能にした。 (2) その他 Dung意味論では議論フレームワークのグラフで奇数ループと偶数ループの扱いが異なる。 人間の現実の議論では両者を対等に扱う場合があり、それを説明する意味論としてステージ意味論が提案されたのでステージ意味論の議論計算エンジンを解集合プログラミングの技術を用いて実装した。
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