研究概要 |
本研究では,自律的なモバイルエージェントによる教育コンテンツ流通の研究を行い,本年度は以下に述べる成果を得た. コンテンツの流通促進を目指して,コンテンツのテキスト情報や利用状況の時系列的データにもとづいてデータマイニングによる知識獲得手法を開発した.また,コンテンツの作成者を自動的に判定するために,データマイニングにより作成者に関する知識を自動的に獲得する方法を開発した.これらの手法の開発により,必要とするコンテンツを柔軟に検索できる機能を提供できるようになった.時系列データに対するデータマイニングでは,コンテンツ利用の時系列変動に関するパターンを抽出する手法を開発した.パターンを発見する際に,利用者の関心事に焦点を絞った発見を行うため,および知識の精度を向上させるために,利用者からのヒントを与えることにより,パターン抽出の品質を向上させる方法を開発した.同時に,ヒントを自動的に改良する方法を実現し,ヒントの品質に影響を受けにくい方法も開発した.発見した利用パターンおよびコンテンツの知識を利用してエージェントが自律的に判断して,自動的な情報送付を行う技術も開発した.コンテンツ作成者の判定知識獲得では,コンテンツのテキストについての文字出現などの情報を相関ルールとして獲得するようにした.得られた相関ルールの適合度により,実際の作成者を判定する方法を開発し,コンテンツの不正な流通を制限する方法の骨格を固めることができた.
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