研究概要 |
今年度は主に以下の3つの研究テーマについて実施した. 「行動の時系列によるユーザ分類」:MMORPGのプレイヤーの行動を解析する際には,行動の時系列のデータ量を削減する必要がある.既存の手法では時系列において局所的な特徴のみを対象としているが,プレイヤーの行動を解析する場合には時系列における長期的な変化が重要であると考えられる.そこで本研究では,ウェーブレット変換を用いることで大域的な特徴を捉えつつアクションシンボル列を圧縮する手法を提案し,ダイナミックタイムワーピングを用いてオンラインゲームのプレイヤーのクラスタリングを行う.本研究室で開発しているオンラインゲームでの実際のプレイデータを用いた実験では,クラス分類における他の手法との認識率比較とクラスタリング性能から本提案手法の有用性が示された. 「行動の頻度及び種類によるボット発見」:株式会社ゲームポットが運営しており,利用規約でボット(ゲームにおいて戦闘やアイテム生産を自動化するツール)の使用が禁止されているオンラインゲームのCABAL ONLINEのログを使用してボットの発見を行い,提案した発見法の有用性を確認した.ロールバック用のログを使用し,アクションの頻度と種類による分類により,短時間で高精度のボット発見を可能にした. 「アクセス履歴によるエリア再訪問の分析」:Webページの再訪問に関する研究を参考にMMORPGのエリアの再訪問にも何らかの典型的なパターンが存在するのではないかと考えWorld of Warcraftのアクセス履歴に対して解析を行った結果,いくつかの興味深い初歩的な結果が得られた.
|