研究課題/領域番号 |
20500147
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
木村 昌弘 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10396153)
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研究分担者 |
中野 良平 中部大学, 工学部, 教授 (90324467)
斉藤 和巳 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (80379544)
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キーワード | 社会ネットワーク分析 / 情報拡散モデル / 学習アルゴリズム / モデル選択 / トピック伝搬分析 / 意見形成 / データマイニング / 複雑ネットワーク科学 |
研究概要 |
(1) 社会ネットワーク上の連続時間情報拡散過程の数理モデルとして、情報拡散の離散時間の基本確率モデルであるICモデルとLTモデルを拡張することにより、AsICモデルとAsLTモデルを構築した。これらモデルでは、時間遅れの取り扱い方によりいくつかのバリエーションが存在しうるが、特に、リンクにおける遅れとノードにおける遅れの二種類の時間遅れ機構を同定し、モデルに組み込んだ。ノードにおける遅れについてはさらに、オーバーライドと非オーバーライドの二つのカテゴリーに分けてモデル化した。 (2) これらAsICモデルとAsLTモデルでは、決定する必要がある複数のパラメータが存在する。それらパラメータの値を、観測された情報拡散系列データから学習する手法を構築し、ブログネットワーク、共著ネットワーク、エンロンネットワークおよび、ウィキペディアネットワークの実ネットワークトポロジーを用いた実験で、そのパラメータ学習法の有効性を実証した。また、これらのモデルにおいて、観測された情報拡散系列データをよりよく説明するモデルを、KLダイバージェンスを用いて予測精度に基づき選択する手法を構築し、上記の四つの実ネットワークトポロジーを用いた実験で、その有効性を実証した。さらに、それらの手法を実ブログデータに適用して、トピック伝搬の振る舞いを分析し、どのようなトピックがどの拡散モデルによくしたがうかということを明らかにした。 (3) ICモデルをSIS型に拡張した非同期時間遅れをもつ情報拡散モデルに対して、ノードの影響度を効率よく計算する手法を構築した。また、情報拡散におけるsuper-mediatorを発見する手法を構築した。さらに、価値重みつき投票者モデルを用いて、異なる価値をもつ複数オピニオンの拡散データから、各オピニオンの価値を推定し、その将来シェアを予測する手法を構築し、その有効性を実証した。
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