本研究で提案した12次元連続DP(2DCDP)」とは、2つの画像の間で最適な画素間の対応を与えるアルゴリズムである。2つの画像の片方を参照画像とし、他方を入力画像とする。2DCDPは入力画像中に、参照画像の全画素が非線形かつ最適に対応する部分領域を与える。この入力中の部分領域は自動的に定まるので、参照画像に対応する部分を入力画像中から自動的に切り出すことができる。これを参照画像の入力画像中でスポッティングを行ったという。このとき、対応画素全体はそれぞれの画像において画像としての空間的相対関係を保っている。このような機能はこれまでの研究で実現できなかったものである。上記の機能の実現によって、画像中からの参照画像のセグメンテーションフリーな認識やレジストレーションが可能となった。今年度の成果としては、1)動画像における物体の動作特徴について、動作の識別に有効なものを画像間の全pixel対応によるpixel trackingから抽出したこと、2)画像の識別をセグメンテーションフリーによるオブジェクトの識別によって行い、画像の識別を高精度で実現できたこと、があげられる。前者は従来のオプティカルフローの技術では極めて困難であった問題が2DCDPによる全pixel対応で可能になったことによっている。後者は、2DCDPがセグメンテーションフリーのオブジェクトのスポッティングが入力画像について行うことで、参照画像と入力画像のオブジェクトが形がいかに異なっても対応がpixelレベルでつくということで、こめ対応のirregularityのレベルを定量化することによって識別が可能となる性質を使っている。
|