画像のレジストレーションは医用画像の診断などで重要な技術である。従来の主たる手法は、事前にレジストレーションすべきオブジェクトのモデルを作成する。このモデルには多くのパラメータが含まれており、このパラメータ群の値を変化させて、対象の画像との最適対応することをもってレジストレーションが実行させる。画像診断ではレジストレーションされたときのパラメータの値で行われることになる。以上の方式はmodel-based手法に共通する状況であり、モデルの作成に多大な労力を必要とすることになり、またレジストレーションのための最適パラメータの決定に組み合わせの問題などが発生し、計算量の増大をもたらすという困難性がある。そこで、model-basedの方法ではなく、appearance-basedの手法をここでは提案する。これはわれわれが開発した2次元連続DPを使う。2次元連続DPによって、本研究の課題である非線形レジストレーションが少ないメモリーと計算量によって実現できるアルゴリズムの完成をみた。そのポイント以下のものである。2次元連続DPは参照側の画像パターンの全ての画素を入力画像側の全ての画素との対応を行うが、参照画像として長方形の画像の全画素をオブジェクトと指定するのではなく、その部分画像の分離を許して複数個の部分領域でもってオブジェクトを指定できる。他方、入力画像はいかなる領域の指定を行わないとする。このとき、2次元連続DPを適用すると、入力画像中で部分画像の集まりからなる参照画像のそれぞれに画像としての非線形変形を許し、かつ部分画像間の位置の非線形的変動の双方を同時的に許容した最適ピクセルマッチングを実行する。また、そのマッチングする位置も入力画像中の最適になる位置で行う。この自動的な位置決めが自動的に行うことをスポッティング機能といい、これがレジストレーション機能をもつこととなる。このような機能をもつ2次元連続DPはわれわれが開発してきた。
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