研究概要 |
'対応する色再現'を実現するための技術として、今年度は異なる色温度間の対応する色再現技術のための主観評価実験に注力した。 1.テスト画像の作成 暗室中に二つの色評価用モニタを設置し、左右の順応色温度T_1とT_2を別々に設定する。そして左の画面にT_1の画像を、右の画面にT_1~T_2に対応する五つの画像を表示し、五つのうちのどの画像の色が最も近く見えるかを評価する。評価にはsRGBモニタを用いているが、本来5,000Kの画像の色温度を変換すると、モニタの色域を超えるため、原画像の色域を小さくする必要がある。画像の自然さを損なわずにこの程度を試行錯誤で決定するのに、かなりの労力を要した。 2.評価システムの作成 評価システムは、Windows PC上で作成した。次のような特徴が必要である。 (1)左右のモニタに複数の種類のテスト画像を表示し、被験者が自分でPCを操作しながら、比較結果が自動的に記録される。 (2)比較対象の五つの画像が、ランダムな順序に表示されるようにプログラムできること。 (3)画像は、順応したグレイの中に表示される。グレイの周囲の外にWindows標準のフレームが見えてはならない。 このようの特徴を持つシステムを開発するためのプラットフォームとして幾つかを試み、最終的に Microsoft PowerPoint(R)の上に、システムを開発した。 3,主観評価実験 色覚正常の被験者14名(男10名、女4名)を募集し、5,000K.3,000K、 5,000K-4,000K、 5,000K-6,500K、 5,000K-9,000K、 3,000K-5,000K、 4,000K-5,000K、 6,500K-5,000K、 9,000K-5,000Kについて主観評価実験を実行した。
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