昨年度に引き続き、車載前方画像のボケの情報から距離を検出する手法について検討するとともに、高フレームレートステレオ画像の視差情報と動き情報から距離を検出する手法について検討した。また、本システム用に開発したイメージセンサを複数用いた、画像処理ボードについて検討した。主な検討項目は以下の通りである。 ●車載前方画像からの距離推定方式の検討 焦点ボケの情報を用いて距離を推定する方式について引き続き検討した。さらに、焦点位置の異なる2つのカメラを平行にステレオ配置し、ボケの情報に加えて視差情報を用いた距離推定方式について新たに検討した。連続する2つのフレーム×2眼の合計4枚の画像から、前方車両の距離と接近速度(相対速度)を推定する。 ●高フレームレートステレオ画像からの距離推定方式の検討 焦点位置が同じである2つのカメラを用いて、その視差情報と動き情報から距離を推定する方式について併せて検討した。高いフレームレートの画像ではフレーム間の動きを高い精度で検出できることに着目し、連続する2つのフレーム×2眼の合計4枚の画像から動きと視差を同時に求めることで、距離を推定する。 ●本システム用のイメージセンサLSIを用いた画像処理ボードの開発 本システムに有用な機能を集積したイメージセンサLSIを4つ使用し、センサLSIの制御および画像処理に用いるFPGA等を実装した、画像処理ボードを設計した。処理に必要なセンサは2つであるが、センサ間の距離を変えて実験ができるように、水平方向に4つのセンサを配置することにした。次年度は、この画像処理ボードを用いて、提案方式の検証を行う予定である。
|