研究概要 |
平成20年度は,以下に示す5つの経年劣化ノイズについてノイズ抑制処理の高度化・高性能化を進め,以下の成果を得た. (1)フリッカーに対する抑制処理の研究開発 各フレーム画像の濃淡ヒストグラム解析により濃度/コントラストを一定にすることでブリッカーを抑制する処理を開発した. (2)プロッチに対する抑制処理の研究開発 従来最も高性能(高画質)とされていた神奈川大の齊藤教授による手法とほぼ同画質の性能でかつ20倍の高速化を実現した手法の更なる改良を行った. (3)スクラッチに対する抑制処理の研究開発 方向依存性の構造要素を持つモフォロジー処理による手法と,方向性微分処理+拘束条件付きHough変換による検出処理による手法を開発した. (4)フレームの不規則な揺れに対する抑制処理の研究開発 2つのフレーム画像の動き補償を行った後,複数箇所の動きベクトルを算出し,その中から信頼性評価の高いものだけを取捨選択する手法を開発した. (5)フォーカス微動に対する抑制処理の研究開発 強調処理もしくは同効果のある空間周波数処理による高周波強調による手法を検討した. 特に(1)と(4)に関しては実用化レベルを達成し,来年度は他の処理の更なる高性能化を目指す.
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