研究課題
平成20年度は、まず学習サンプルの分光反射率を用い、すでに提案しているモデルを用いてマルチスペクトラルカメラシステムのノイズ分散を推定した。次にこの推定されたノイズ分散と学習サンプルの分光反射率の自己相関行列を用いウィーナ推定によりテストサンプルの分光反射率を復元した。多様な分光反射率を蓄積したデータベース内の分光反射率の中でこの復元された分光反射率に最も近い分光反射率を選択し、この選択された分光反射率をウィーナ推定時の分光反射率の自己相関行列に用いかつ学習サンプルを用いて推定されたノイズ分散を用いることにより、テストサンプルの画像データから分光反射率を復元した。この結果従来の復元精度はテストサンプルの分光反射率の先験情報を用いた場合より約3倍程度推定誤差が大きかったが、本研究結果ではテストサンプルの先験情報を用いた場合の復元精度に近い精度を実現することができた。この結果はすでに提案しているモデルで推定されたノイズ分散の値は被写体の種類に依存せずにほぼ一定で、CCDのノイズやその量子化誤差及び分光感度と撮影光源の分光特性の計測誤差が主要因であることを示唆している。次に、すでに提案している分光反射率復元を目的とするマルチスペクトラルカメラの品質モデルはウィーナ推定により復元された分光反射率を基にモデルを構築しているが、重回帰分析法とImai-Bernsモデルにより復元さ分光反射率に対しても適用できることを実験並びに理論的に明らかにした。
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