研究課題
平成21年度は、学習サンプルを用いて推定されたノイズ分散と分光反射率の特徴を用いた分光反射率復元モデルを日本画、水彩画及び油彩画に適用し分光反射率の復元を行い、測色的に較正されたディスプレイにカラー画像再現し再現画像の評価を行った。この結果、以下のことが判明した。(1)分光反射率復元精度とディスプレイへのカラー画像復元精度の間に相関関係があることを明らかにした。(2)絵画を用いた方法において復元精度は従来方法と比較し向上することが判明したが、色票を用いた場合と比較して復元精度向上がそれほど顕著ではないことが判明した。(3)上記(2)の原因として、データベース中に水彩、油彩、日本画の色材に関する適当な分光反射率が無いことに起因しているのかあるいは絵画での復元精度評価のために絵画中で計測した複数の計測領域での反射率の不均一性に起因しているのかについて現在精査中で、この原因の究明は次年度の課題にする予定である。入力系のノイズが画像入力に及ぼす影響について詳細な研究を行った。既に提案したモデルを用い、入力系の入力システム行列の特異値がシステムノイズより小さくなるとノイズの影響を受けやすくなることを、実験をとおして明らかにし、提案したモデルが入力系のノイズ解析に適用できることを明らかにした。入力系のノイズ解析に関してこれまでのモデルを拡張し、ノイズの共分散行列を推定するためのモデル構築を行い、モデルの妥当性を実験で検証中である。
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J.Optical Society of America, A 27
ページ: 251-258
Applied Optics 48
ページ: 5354-5362