研究概要 |
代表者は明るさ錯視を再現できる視覚情報処理モデルの計算機シミュレーション結果から,錯視発生機構が合焦エッジ抽出機能を有することを示唆し,これを実写画像を用いたシミュレーション実験で確認している.当該研究では,視覚情報処理モデルをハードウェア化の制約に合わせて改良し,合焦エッジ検出機能を有するイメージセンサを実現することを目的とする. 今年度代表者は,上記機能を持つイメージセンサの実現への準備として,基本的な光-電気信号変換回路,各種演算回路等について,複数のパラメータを用いて構成し,CMOSアナログ回路実装・試作を行った.試作回路の評価を行い,所望の回路が実装できることを確認した.また,錯視発生機構のアルゴリズムを,現有のFPGAボード(アジリティRC-203)を用いて,アルゴリズムを並列処理する回路を構成し,錯視発生機能,合焦エッジ抽出機能に関して基本的な性能を有することを確認した. 分担者は,ディジタル処理回路によるアルゴリズム検証に向けては,高速カメラとFPGAを組み合わせたプロトタイピングシステムを構築し,そこに実装した画像処理アルゴリズムの実画像によるリアルタイム検証を可能とした.また実際にオプティカルフロー算出処理と視線検出処理を実装し,実画像に対する画像処理パラメータの最適化を実施した.またアナログ処理回路による機能性イメージセンサの実現に向けては,画素回路の設計・試作と評価を完了し,また情報処理回路の基礎検討を開始した.
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