研究概要 |
現在,映像システムの技術は急速な発展を遂げており,ハイビジョン放送やデジタル放送の普及に伴い,大型テレビやプロジェクタなどの映像がより精細になってきている。しかし,映像再生デバイスの違いなどにより,視聴者が受ける映像の印象が異なるという問題がある。そこで本検討では今年度は特に,視聴者が受ける印象の異なるという問題の一つとして考えられる解像度に着目し,解像度が異なる映像を視聴した時に視聴者が感じる映像の印象について変化するかを感性的評価によって探る。また本実験では、新しい映像技術として超高精細映像システムと言われるデジタルシネマを取り上げ,この中の41(システムの映像(以下4K映像と略記)と2Kシステムの映像(以下2K映像と略記)を使用し,視聴評価することによってそれらのシステムの特徴分析を行う。その結果,4K映像と2K映像を比較し,映像の解像度が異なることによって視聴者が映像を見た際に感じる「きれいさ」,「なめらかさ」,「質感」,「はっきりさ」が変化する可能性が示唆された。また「質感がある一質感がない」,「疲れる一疲れない」,「なめらか一がたつく」の評価語が,映像の種類によって左右されない評価語である可能性があることが実験的に確認できた。次に,2K映像を視聴する際の視距離の変化は,「明るさ」,「迫力感」,「疲労感」,4K映像を視聴する際の視距離の変化は,「きめ細かさ」,「迫力感」,「疲労感」の感性的評価に影響を及ぼすことが確認できた。
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