研究課題
本研究は,個人個人に対してベストフィットの衣服を提供するための情報の取得と設計手法を開発することを目的として行っている。本年度は上半身用衣服(上衣)の個人対応基本型紙の自動作成を重点に研究を行った。上半身基本衣服パタンの必要要件および型紙作成方法を検討し、上衣の個人対応化を行うためには3次元人体形状から外包衣と呼ばれる、目的衣服に合わせて人体形状を包む衣服モデル(原型モデル)を生成することが有効であることが明らかになった。これを実現するために3次元人体形状から人体形状を保存すべき場所と、人体を包むべき場所を選定し、コンピュータ上で基本操作を組み合わせ、原型モデルを生成する手順を設計した。方法の妥当性を検討するために、衣服設計用人台を3次元形状計測器でスキャンし、手順に従って原型モデルを作成した。原型モデルを用いて、衣服型紙の自動設計の手順を検討した。上衣の自動設計においては、布目線の設定位置が重要である。これを検討するために、既存の立体裁断手法を用いて、人台上で試料布を用いて衣服製作を行い、型紙製作を行い、布目線の位置を検討した。この過程において、上衣の設計においては、曲面にフィットさせるためにダーツが必要であり、その位置に任意性があることが確認された。本研究においては肩からダーツをとる方法を採用し、自動立体裁断で型紙作成を行った。得られた型紙を用いて衣服を試作し、立体裁断、平面作図で作成した衣服と比較した。その結果、改良すべき点はあるものの、着用可能な原型衣服が製作できることが示された。
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International Journal of Clothing Science and Technology Vol.22 No.1
ページ: 16-24
https://soar-ir.shinshu-u.ac.jp/dspace/handle/10091/10745
Proceedngs of International Conference on Kansei Engineering and Emotion Reserch 2010(KEER2010), USB flash drive, No.98
ページ: 1-8
