研究概要 |
本研究は,アバタを用いた文化間のオンラインコミュニケーションにおいて,アバタの表情解釈や振舞いに文化差があることを検証し,文化を越えて使用されるアバタデザインにおける考慮点を提言することを目的としている.海外協力機関と共同実験を実施することにより,以下の研究課題に段階的に取り組む予定である.平成20年度はプロのデザイナによるアバタを用い,アバタ表情解釈を文化毎に比較分析した.平成21年度はユーザデザインによるアバタを用い,表情解釈の文化間比較およびアバタ表情解釈の手がかりとなる顔部位の文化間比較を行った. 平成21年度は下記を中心に研究を実施した. 1.アバタ表情解釈の文化間比較研究の成果発表(20年度に実施した研究の成果)Journal of AI & Societyに,査読つき原著論文"Avatar culture : cross-cultural evaluations of avatar facial expressions"を発表した. 2.ユーザ描画のアバタ表情デザイン作成(21年度予定の研究)アバタ表情デザイン描画ツールであるCharToon(オランダのTwente大学より提供)を用いて,日本人デザイナによるアバタ表情を作成した. 3.アバタ表情解釈の手がかりとなる顔部位の文化間比較研究(21年度予定の研究)2で作成したアバタ表情を用いて,表情解釈の判断の手がかりとして用いられる顔部位(目元,口元)の文化差を検証するために,日本とハンガリー間でWeb実験を実施した.その結果,「日本人は目元を,ハンガリー人は口元の形を手がかりに表情解釈する」という仮説が検証された.研究成果発表として,国内外の学会で合わせて7件の口頭発表を行った.
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