研究概要 |
本研究は,アバタを用いた文化間のオンラインコミュニケーションにおいて,アバタの表情解釈や振舞いに文化差があることを検証し,文化を越えて使用されるアバタデザインにおける考慮点を提言することを目的としている. 平成22年度は下記を中心に研究を実施した. 1. アバタ表情解釈の文化間比較研究の成果発表(21年度に実施した研究の成果) Springer LNCSに,.査読つき原著論文"Cross-cultural Study on Facial Regions as Cues to Recognize Emotions of Virtual Agents"が掲載された.その他,研究成果発表として,国内外の学会で合わせて8件の口頭発表を行った. 2. アバタ表情解釈の手がかりとなる顔部位の文化間比較研究 ハンガリー人デザインのアバタ表情を用いて,表情解釈の判断の手がかりとして用いられる顔部位の文化差を検証するために日本とハンガリー間でWeb実験を実施した.その結果,「日本人は目元をハンガリー人は口元の形を手がかりに表情解釈する」仮説が検証された. 3. 仮想空間内におけるアバタの振舞いとして,身体動作(うなずき・相槌や,身体操作と呼ばれる意図的でないメッセージ伝達動作など)を中心にアバタに実装し,インタラクション上の効果を分析した.具体的には,見かけの傾聴感の高いアバタのうなずきの角度,頻度速度の実験的検証および,身体操作の実装によるインタラクションの継続的評価実験により,アバタの身体操作がインタラクションの持続性を高める効果があることが示された.
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