研究概要 |
提案の識別器がどのようなデータにより適しているかを明らかにするために,パターン認識分野で特に最近の5年間に顕著に普及してきたサポートベクトルマシン(SVM)と呼ばれる高性能識別器との性能比較を行い同等以上の性能であることを明らかにした.また実データでの比較として,画像データ,ごみ焼却炉の計測データ,磁気核共鳴画像法(fMRI)の計測データに適用し有効性を示した. 事前に分類された大量の画像を基に未知画像にタグ付けすることで自動検索ができる.その際に,画像の切り取りや色のヒストグラムなどの特徴抽出を必要とせずに分類クラスを直接識別する方法を考案した.10種のクラスに分類されたCorel画像コレクション(50万次元,1000件)を用いたベンチマークテストではテストセットに対して約80%の識別精度を達成できた.この成果はIEEEの学会WCCI'08で報告しBest Paperに選ばれた. またfMRIの計測データによる脳の課題実行時と非実行時の識別に応用した.脳の賦活を識別する問題に適用できることが確認できたが装置が大型で実用的ではない.そこで近赤外分光法による計測装置を導入して実用化可能なブレーンコミュニケーションのための識別器の開発を目指した.ヘモグロビン濃度やその濃度変化の時系列もデータ件数に比べて高次元であり,提案の識別器を有効に利用できると考えられる.しかし,期待した精度は得られなかった.現在,脳波測定を併行して用いる方法を検討している. 当初の計画にはなかったが,カメラによる駐車場や駐輪場の空き状態の検出には大きな成果が得られた.
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