研究概要 |
識別器の訓練の高速化のためにセミハードクラスタリング法を開発した.パターン認識分野で最近顕著に普及してきた高性能識別器であるサポートベクトルマシン(SVM)との性能比較を行い同等以上の識別性能がより短い訓練時間で達成できることを明らかにした.この成果は,企業との共同研究として実施していた駐車場の車両検知システムに応用された.センサーに変えてカメラを用いる方式であり,エッジ抽出による現行方式に比べ10倍以上検出精度を改善した.新システムは平成21年10月に東京・銀座の新設地下駐車場に導入され,今年度も複数個所での導入が予定されている.特に屋外駐車場のカメラ方式車両検知システムは精度の問題から実用化されていなかったが,半年間のテスト結果から99.6%の検出精度を確認していて今後屋外用にも実用化されることになった.SVMの計算時間は訓練データ数の二乗から三乗に比例して増加するのに対して,提案識別器はデータ件数に比例して増えるだけであるので,多くの訓練データを用いる場合に特に有効である。 研究成果は2010年IEEE-WCCIで発表(2件)する.また,日本知能情報ファジィ学会誌に投稿中で1件が採択決定となっている.
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