研究課題
本研究課題は、変量のバラツキが一様分布のときに区間解析を用いて包括的に計算することによってモンテカルロ法より効率的にシステムの挙動を解析できることと同様に、変量のバラツキが多峰性を持ったりファジィ分布のときにも包括的に計算してモンテカルロ法より効率的に解析できるような数値解析手法を提案することである。本年度は、研究代表者が前年度までに研究してきたクラスタリングを不確実モデル化した問題を確率論的側面から見直し、新たなクラスタリング手法を提案した。具体的には、従来、クラスタリング対象データが特徴空間上の点として与えられているという仮定を緩和して、データがある領域内を自由に動き回り得るという条件の下でクラスタリングを行う手法が提案されていたが、この手法を確率論的側面から見直すと、対象データがある有限台上一様分布として与えられた条件の下でクラスタリングを行うことと解釈することができた。この解釈を基に、対象データが正規分布として与えられた条件の下でクラスタリングを行うために、クラスタリング手法の基となる最適化問題中の目的関数に、データの不確実性を表す変量の2ノルムの2乗をコスト関数として加えた、新たな目的関数を最小化することによって、新たなクラスタリング手法を提案した。また、この手法にカーネル関数を導入し、分類境界が非ボロノイ形状となる場合にも適用できるように拡張した。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)
IEICE Trans. Fundamentals E91-A, No. 9
ページ: 2520-2534
Springer Lecture Notes in Artificial Intelligence LNAI5285
ページ: 122-133