研究課題
本研究は、機関リポジトリや電子ジャーナルで公開された研究論文の被利用度・被引用度を調査分析することにより、現代の電子情報流通環境下における研究者の文献入手行動の一端を明らかにし、機関リポジトリによるオープンアクセスの効果について検証するものである。1)被利用記録の収集と分析では、機関リポジトリのアクセスログを使用し、誰が機関リポジトリを利用しているのか、どんな方法でアクセスしているのかの整理、分析を行い、機関リポジトリの利用のされ方を明らかにすることができた。搭載PDFのテキストデータ付与の有無とアクセス数の関係についても分析を行い、テキストデータ付与の有無がアクセス数に強く影響することを明らかにした。また、機関リポジトリ及びBioOne等の電子ジャーナルのサーバアクセス記録を比較、分析し、互いのユーザは重複せず、機関リポジトリに論文を搭載しても電子ジャーナルの閲覧者は減少しないことを明らかにした。2)被引用記録の収集と分析では、被利用記録と被引用記録との照合、及びその関連性の分析を行った。被利用記録は機関リポジトリのアクセスログ、被引用記録は引用索引データベース"Web of Science"における「Zoological Science」誌掲載論文のデータ及び「Zoological Science」誌を引用している論文のデータを使用し、分析を行った。その結果、対象論文、対象期間においては、被引用数と機関リポジトリのアクセス数の間には相関がないことが明らかとなった。今後は被利用記録については引き続き国際的技術動向を踏まえ、各メディア(機関リポジトリ、BloOne,NII-ELS,J-STAGE)のサーバアクセス記録の整理、分析を行う。また引用索引データベース"Web of Science"の「Zoologlcal Science」誌掲載論文のデータ及び「Zoobgical Science」誌を引用している論文のデータを使用し、個々の被引用カウントの変化を時系列に整理したうえで、被利用記録と照合し、被引用状況の特性を抽出する。
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http://drf.lib.hokudai.ac.ip/drf/index.php?Zoological%20Science%20meets%20Institutional%20Repositories