研究概要 |
本研究の目的は、オカダンゴムシが、触角による外界探索を通して、マウスが持つ認知地図のような外界の内部モデルを構築し、物体の配置を知る能力を持つことを行動実験により明らかにすることである。本年度は、チューブを装着された触角による外界探索様式を詳細に調べるために、前年度までに製作された個体自動追尾撮影システムの改良に取り組んだ。課題は、背景と区別しにくいチューブ先端の三次元座標を取得することであった。個体の置かれる透明アクリル製実験装置下方の「位置計測カメラ」は、実験装置全体を撮影し、「画像処理ボード」が個体の位置をリアルタイムで計測する。同ボードから個体の位置を取得した「パソコン」は、2台の「電動スライダ(X及びY軸)」を制御し、位置計測カメラに隣接して配置される「撮影カメラ1,2」を個体の直下へ移動させる。撮影カメラ1,2で撮影されたチューブの画像はファイルとして同パソコンへ保存される。その後、三次元位置計測ソフトウェアが約30msごとに二種の画像ファイルからチューブ先端を検出し、その三次元座標を算出する。今年度は、電動スライダの制御プログラムを改良した。その結果、触角運動をより円滑に追跡するためのカメラの移動制御を達成することができた。また、それに合わせ、より解像度の高いカメラの仕様を詳細に決めた。その後、カメラの選定を試みたが、仕様を満たす製品を見つけることができなかった。現在、仕様を検討中である。
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