研究課題/領域番号 |
20500239
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
岡田 浩之 玉川大学, 工学部, 教授 (10349326)
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研究分担者 |
岩橋 直人 独立行政法人情報通信研究機構, 知識創成コミュニケーション研, 専門研究員 (90394999)
宮崎 美智子 玉川大学, 脳科学研究所, グローバルCOE研究員 (90526732)
下斗米 貴之 関西学院大学, 理工学部, 契約助手 (50415361)
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キーワード | 認知科学 / 言語獲得 / 推論 / 機械学習 / 実験系心理学 |
研究概要 |
(1) 乳児の条件性弁別学習における対称性バイアスの起源の解明 乳児の視線方向と注視の停留時間によって呈示映像が切り替わるような刺激を用い、乳児に能動的に条件性弁別学習をさせ、対称性が獲得される発達過程を明らかにする手法の確立を目指し、「強化なし対応づけ課題」を提案し、乳児に対する調査を行った。乳児の視線方向、注視の停留時間、瞳孔の変化などを計測対象とする。これらの視線情報の検出のためにTobiiアイトラッカー(視線検出装置)を使用し、乳児が見ただけで興味を惹くような刺激を作成した。 Tobuアイトラッカーによる視線検出では、実験協力者に負担をかけるようなカメラや部品を装着する必要はなく、乳幼児でも簡便に視線を計測可能である。 (2) 移動ロボットに実装することによる工学的応用 コミュニケーションの対称性にヒントを得た、統計的音声学習機能による話者を特定しない自然な音声対話を提案しコミュニケーションロボットに実装した。本年度は、「リビングでの物探し」を実現した。具体的には、ロボットに、コップやカバンなどの物体を手に持って見せてその名前を音声で教える。人間が、教えた物の一つを部屋のどこかに置き、「○○を探して」という指示をする。ロボットは部屋の中を探して、それを見つけて人間に知らせる。実験室環境と違い、実際のリビングは照明が変化したり、家具の配置が変わったりなど、予め作りこんでおいた地図を使ってロボットが行動することは困難な環境である。また、物体の名前を自由に決めるには、未登録語の認識、発話機能が必須であり、従来の音声認識によく使われる辞書検索による手法では対応できなかった機能である。 2009年5月に大阪市(大阪府)で開催されたロボカップジャパンオープン2009@ホームリーグにおいて優勝し、さらに、6月にグラーツ(オーストリア)で開催された世界大会でも、日本から唯一の出場チームとして準優勝の栄冠を勝ち得た。
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