研究課題/領域番号 |
20500239
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
岡田 浩之 玉川大学, 工学部, 教授 (10349326)
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研究分担者 |
岩橋 直人 独立行政法人情報通信研究機構, 知識創成コミュニケーション研究センター, 専門研究員 (90394999)
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キーワード | 対称性推論 / 刺激等価性 / 視線計測 / ロボカップ@ホーム / 生活支援ロボット |
研究概要 |
乳児の視線方向と注視の停留時間によって呈示映像が切り替わるような刺激を用い、乳児に能動的に条件性弁別学習をさせ、対称性が獲得される発達過程を明らかにする実験を行った。 乳児の視線方向、注視の停留時間、瞳孔の変化などを計測対象とし、これらの視線情報の検出のためにTobiiアイトラッカー(視線検出装置)を使用した。 対称性推論の課題に関して、乳児と成人との間で難易度を統制した課題パラダイムの開発を行った。 次いで各課題中の脳波を乳児と成人で計測し、それぞれの群について推論の成否に関連する脳波成分の同定を試みた。得られた結果を基に両群を比較検討、乳児・成人に共通する推論関連脳波成分の同定を行ったところ、言語獲得以前の乳児において特異的な脳活動を明らかにした。 これまでの研究で、対称性推論が乳幼児の言語獲得と非常に関連があることがわかった。そこで、本研究の知見をロボットの言語獲得を含む人とロボットのコミュニケーションへ応用することを行った。従来の言語処理技術では、あらかじめ固定的で閉じた記号系が与えられ、記号の持つ意味は感覚運動情報とは無関係にその内部で循環的に定義されているため、人の曖昧で自然な発話に対応できない。この問題の解決のために、本課題の成果を生かしてロボット自身が、感覚と言語をつなげ、実世界における音声と視覚と動作による人とのコミュニケーションを通して学習する計算機構を開発した。 本年度は研究計画の最終年度であり、研究のまとめとして実機ロボットによる検証を中心に進めた。 2010ロボカップジャパンオープンで優勝し、続く、2010ロボカップ世界大会においても@ホームリーグにおいて優勝を飾った。
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