自閉症児を支援するプログラムを構築するための基盤的情報を得ることを目的とし、定型発達児と自閉症児について非言語コミュニケーション情報の理解を調べた。研究の結果、1)定型発達児では異なるタイプの指さしに対して意味の違いを見いだす能力が幼児期に発達すること、2)指さしと視線の統合的利用によって指示者の意図を的確に判断することがわかった。一方、3)自閉症児では、視線の情報を適切に指示詞の理解につなげることが難しいこと、また4)視線と指さしの情報を統合的に理解することが難しいことがわかった。以上の知見と定型発達児の養育者の指示行動の分析や自閉症児・養育者の支援活動から得た知見も加えることにより、自閉症児の支援プログラム作成のための具体的な情報を得た。
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