研究概要 |
認知制御機能における加齢変化を明らかにするために,課題切替タスクを用いて,サーカディアンリズム,方略抽出との関係について検討を行った. 1)従来より行ってきた漢字選択課題におけるエラー反復現象と課題切替タスク(数字選択課題・コンピュータ版)との相関関係分析のための実験を行い,データ収集を行った,データは現在分析中である. 2)数字選択課題を用いた課題切替タスクを用いて,年齢群(若年成人vs.高齢者)ならびにサーカディアンリズム(実験を午前に実施vs午後実施)の検討を行う実験を,英語文化圏(トロント大学)ならびに日本語文化圏について行った.その結果,正答率並びに反応時間について,若年成人にはサーカディアンリズムの効果は小さいが高齢者群には大きいことが示された.またタスク内各試行の反応時間を条件間比較した分析から,使用言語により数字選択課題での方略に相違がある可能性が示唆され,今後さらに詳細な分析・モデル化を行う予定である. 3)新たに朝食課題をとりあげ,年齢群(若年成人vs.高齢者)および副課題のテーブルセッティング課題の有意味性(食器を並べるvs.無意味図形)の効果を検討したところ,主課題の加齢効果が先行研究よりもより容易な条件でも見られたこと,副課題の条件は主課題には影響を及ぼさないが,副課題の達成に影響を与えており,方略抽出並びにその制御について,今後さらに分析を行っていく予定である.
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