研究概要 |
データから得られる推定値の信頼度を計算するために,データのランダムネスを高精度で計算するリサンプリング・アルゴリズムの開発を目的とする.これまでに提案したマルチスケール・ブートストラップ法では頻度論の立場で統計的仮説検定の不偏な確率値(または信頼度)を近似計算することを試みてきた.これを発展させて,本研究では頻度論だけでなぐベイズ法の立場で事後確率の計算,および,両者の融合を目指す.べイズのみならず頻度論的にもマルチスケール・ブートストラップ法を拡張して適用範囲を広げる. 本年度は以下の点について研究を行った.1.前年度までにブートストラップ確率の漸近展開を4次の精度まで行い従来の3次の理論の結果を発展させた.これを利再して確率値を4次の精度で計算する方法を考案し,その有効性を検証する数値シミュレーションを行った.2.機械学習のバギング法ヘマルチスケール・ブートストラップを適用するQMBAG法を前年度までに考案した炉,その有効性を数値シミュレーションで検証した. 3.ブートストラップ法を高速実行するRELL法と呼ばれるアルゴリズムをより広いクラスで適用できるように一般化,および漸近展開の高次項まで計算する提案を行った.実際に因果分析(LinGAM法)へ応用して有効性を確認した.4.ネットワークのスケールフリー性についてMCMCによる実装を発展させた.与えられたネットワークを生成するパラメータをベイズ推定するための手法を新たに考案した.
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