研究課題
平成21年度は、1. 時空間データのホットスポットの検出2. 格子数が少ない型空間データに対するスキャン統計量の直接確率分布の計算3. ホットスポット検出法の性質評価1. 時空間データのホットスポットの検出本研究では、ホットスポットの検出にあたり時間及び空間上でモデル化しホットスポットを検出する方式を提唱した。すなわち、longitudinal dataのホットスポット検出について研究を行った。また、開発された方式を、(1)森林における樹木の時空間的構造、(2)都道府県別自殺データ、(3)SNPデータ、に適用し、ホットスポットの時間的な拡大、縮小、移動、合併などの時間的な遷移について検討した。2. 格子数が少ない型空間データに対するスキャン統計量の直接確率分布の計算集積性のある地域を検出するために用いられる空間スキャン統計量の理論分布を直接求めるのは困難とされ、モンテカル法による疑似計算が主に用いられてきた。しかし、セル数が少ない場合は、安易に計算機の支援によらず、直接確率分布を計算することが望ましい。本研究では、代数学におけるポリオミノ理論を応用し、隣接したセルパターンを検出し、そのパターンを領域全体に埋め込む方式のアルゴリズムを構築することに成功している。このアルゴリズムを用いることにより、先行研究で行われてきた総当たり法に比べ大幅な時間短縮を行うとともに、18個のセルパターン数の計算、4×4Lattice領域でのパターン数の計算まで可能にしている。3. ホットスポット検出法の性質評価従来、Echelon解析は、観測された各種の空間データに対し、空間的な階層構造を客観的かつ一意的に表現する記述的な方法として利用されてきた。本研究ではこれらを拡張し、母集団や観測誤差などを考慮した上で、真の空間的な階層構造を検討する方法論を議論している。すなわち、得られた観測値に基づき信頼区間を計算し、信頼区間から抽出された標本に基づきEchelon解析を繰り返し行い、その傾向を調べる方法を提唱している。1. については、北海道大学での研究集会、科学研究費研究集会で講演するとともに、JKSC2010などの査読論文において公表した。2.3.については、日本計算機統計学会及び科学研究費研究集会などにおいて公表した。
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Proceedings of JKSC2010(Edited by Tanaka, Y. et al.)
ページ: 145-152
ページ: 159-166
ページ: 235-238
Journal of Environmental Science for Sustainable Society 3
ページ: 1-8