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2009 年度 実績報告書

ベイズ法の発展的適用による回帰分析の展開

研究課題

研究課題/領域番号 20500259
研究機関中央大学

研究代表者

柳本 武美  中央大学, 理工学部, 客員教授 (40000195)

キーワードBayes法 / 頻度法的接近 / 平滑化 / 不適切事前分布 / GCV / DIC
研究概要

本年度の発展は、経験Bayes法の発展的適用の可能性が基礎づけられてきたことにある。これまでのBayes法は、事前分布を仮定して事後分布で推定するという基本が必ずしも守られないことにある。むしろ、できるだけ仮定を少なくする努力さえ払われていた。このことは、事後分布に基づいた手法が発展できていなかった現実からの逃避でもある。この着想の基本固めに成功しつつある。そのシーズはe-混合とDICの結合である。
Bayesモデルとはしない場合もあるが、Bayesモデルとして扱う場合には事前情報を利用するような設定にする方が望ましい。安易に母数を超母数として扱うよりも、可能ならばinformative事前分布、そうでなくても無情報事前分布を仮定する方が、論理的整合性の面からもまた手法の性能の面からもより望ましいに違いない。
上の着想から平滑化を中心とした多次元平均ベクトルの同時推定を基本に手法の開発を行った。そこでは既存の方法であるGMLとGCVが超えられない事情を事前分布の面から明確にしつつある。この問題のキーは、一見同等なモデルが実際には本質的な違いが存在することであり、単純な工夫によっては乗り越えられない。そもそも事後分布の不存在と関連しているから、その点の解決がどうしても必要であることを指摘した。特に一般的な適用が可能なGMLではこの点は本質的である。GMLが弱い情報に関して敏感であるからである。GCVの適用が制限的である以上、Bayes法により忠実なアプローチが必要となる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Improving Bayesian estimation of the end point of a distribution2009

    • 著者名/発表者名
      Minoda, Y, Kamakura, T., Yanagimoto, T.
    • 雑誌名

      J.Japan.Soc.Comput.Statist. 22

      ページ: 79-91

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bayesian prediction of a density function in terms of e-mixture2009

    • 著者名/発表者名
      Yanagimoto, T., Ohnishi, T.
    • 雑誌名

      J.Statist.Plann.Inf. 139

      ページ: 3064-3075

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Predictive credible region for Bayesian diagnosis of a hypothesis with applications2009

    • 著者名/発表者名
      Yanagimoto, T., Ohnishi T.
    • 雑誌名

      Japan.J.Statist.Assoc. 39

      ページ: 111-131

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Estimation of a common slope in multiple gamma regression models : An empirical Bayesian approach2009

    • 著者名/発表者名
      Minoda, Y., Yanagimoto, T.
    • 雑誌名

      Comput.Statist.Data Analysis 53

      ページ: 4178-4185

    • 査読あり
  • [学会発表] 鞍点予測子から見た informative 事前分布の有用性2009

    • 著者名/発表者名
      柳本武美
    • 学会等名
      研究集会「統計的推測・確率解析とその周辺の話題の理論と応用」
    • 発表場所
      秋田大学
    • 年月日
      2009-12-12
  • [学会発表] 鞍点予測子から見た informative 事前分布の利用2009

    • 著者名/発表者名
      柳本武美
    • 学会等名
      連合統計大会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2009-09-08

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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