研究課題/領域番号 |
20500278
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
相原 威 玉川大学, 工学部, 教授 (70192838)
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研究分担者 |
福島 康弘 玉川大学, 脳科学研究所, グローバルCOE研究員 (00384719)
佐々木 寛 玉川大学, 工学部, 准教授 (70261691)
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キーワード | 生体生命情報学 / ニューロインフォマティック / 情報工学 |
研究概要 |
形態とチャネルの特性までを組み込んだニューロンのデータベース化は各部位において急速な発展をなしてきている。しかし、そのダイナミクスにもとづき、例えば抑制性回路などを含んだ、実際のローカルな回路結合様式にもとづく可塑性神経回路の情報処理様式や学習則については、まだ未開拓であり統合的な整備は行われていないのが現状である。本研究は、この可塑性回路網の統合化とデータベース化を行い、回路網の学習則を解明することによって脳機能における時空間的情報処理の理解を深めることを目的とする。そこで、我々は海馬CA1可塑性神経回路網に着目し、ニューロンのデンドライトにおけるSTDP (Spike-Timing Dependent Plasticity:スパイクタイミング依存性可塑性)がPD (Proximal Dendrite ; 樹状突起細胞体近位部)とDD (Distal Dendrite;樹状突起細胞体遠位部)で異なるという場所依存性を明らかにしてきた。本研究では、 (1) 生理実験において、前年度はPDへの入力がBPAPを1つのキャリアとしてDDの情報処理に影響を与えるだろうことを仮定し、BPAPとPD入力のタイミングの違いがDDにおける可塑的変化(記憶情報処理)に及ぼす影響を調べた。そして今年度は、その続きとしてDDからPD方向の影響も調べ、2入力の相互作用における学習様式を明らかにすることができた。 (2) NEURONシミュレータ用いた実験においては、2入力の相互作用を考慮したモデルを構築し、生理実験データと比較することによりその妥当性を示すことができた。 現在、この結果と構築したモデルをDBPF(ダイナミックブレインプラットフォーム)に掲載の準備中である。
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