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2009 年度 実績報告書

心的過程の神経機構に基づく動的情報検索アルゴリズムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20500279
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

岡本 洋  独立行政法人理化学研究所, 脳回路機能理論研究チーム, 客員研究員 (00374067)

キーワードニューラルネットワーク / ヒステリシス / 連続アトラクター / 揺らぎ / 準安定 / 時系列 / ベイズ / 経路積分
研究概要

I.昨年度構築した時系列想起の神経機構の生物物理モデルを、想起パターン間に重なりがある場合に拡張した。N個のニューロンから確率pでニューロンを取り出し、取り出されたニューロンの集団をパターンAに対応させる。同様の操作を繰り返し、パターンB、C、…に対応するニューロン集団を定める。パターンA、B、C、…に対応するニューロン集団の間には重なりがあり、これは実際の脳における情報表現と符合する。各集団内において、ニューロンはリカレント結合する。さらに、AからB、BからC、CからD、…という具合に、集団間にフィードフォワード結合があるとする。個々のスパイク発生ニューロンにafterdepolarizationに基づくヒステリシス特性を付与し、さらに背景ノイズを付加する。以上の設定において、準安定状態遷移の連鎖としての時系列的想起A→B→C→…が実現されることを確認した。リカレントおよびフィードフォワード結合がコバリアンス学習則に従うことが、時系列想起がロバストに行われるための条件であることを見出した。
II.ヒステリシスニューロンのネットワークの確率過程動力学による時系列生成が、時系列をベイズ推定する過程に他ならないことを証明した。これにより、Iのモデルにおける時系列想起の情報論的意味が明らかになった。このベイズ推定では、ニューロン群活性の初期状態が「証左」を表し、シナプス行列から定められる確率分布が「事前知識」を表す。時系列を確率変数とする事後確率分布を定める分配関数は、経路積分により定式化される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Recurrent network models for perfect temporal integration of fluctuating correlated inputs2009

    • 著者名/発表者名
      Okamoto, H., Fukai, T.
    • 雑誌名

      PLoS Computational Biology 5

      ページ: e1000404

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Information extraction by neural-network dynamics with multi-hysteretic neurons2009

    • 著者名/発表者名
      Tsuboshita, Y., Okamoto, H.
    • 雑誌名

      Neural Networks 22

      ページ: 922-930

    • 査読あり
  • [学会発表] トピックに依存した論文ランキング:学術論文引用ネットワーク分析2009

    • 著者名/発表者名
      岡本洋・坪下幸寛・園田隆志
    • 学会等名
      第6回情報プロフェッショナルシンポジウム
    • 発表場所
      日本科学未来館(東京)
    • 年月日
      2009-10-15

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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