研究課題/領域番号 |
20500295
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研究機関 | 姫路獨協大学 |
研究代表者 |
角山 圭一 姫路獨協大学, 薬学部, 准教授 (70454767)
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研究分担者 |
松山 正剛 姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (80243319)
谷口 泰造 姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (70346253)
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キーワード | アルツハイマー病 / 長期増強現象 / 肝細胞増殖因子 / タウ蛋白質 |
研究概要 |
研究代表者は、神経栄養因子である肝細胞増殖因子(HGF)の学習記憶、認知、思考などの高次脳神経機能に対する効果を解析し、アルツハイマー病の学習記憶障害に対する疾患治療への適用を目的に研究を行っている。平成21年度は、昨年度と同様に、HGF遺伝子を神経特異的に過剰発現するマウス(HGF-Tg)に、ヒト変異タウ蛋白質の過剰発現マウス(アルツハイマー病モデルマウス)を交配してダブル過剰発現マウスを作製して、1.海馬におけるHGFおよびその受容体であるHGF/c-Met受容体(c-Met)の発現および局在を生化学的・組織学的手法による解析中である(研究代表者、連携研究者)、2.個体レベルでのアルツハイマー病の学習記憶障害に対するHGFの効果をモリスの水迷路(空間認識の学習記憶を測定する方法)による行動学的に解析中である(研究代表者、分担者、連携研究者)。3.細胞レベルでの学習記憶機能に対するHGFの効果の電気生理学的に解析中である(研究分担者)。4.アルツハイマー病の病態変化(神経細胞死、凝集体、グリア細胞の活性化など)に対するHGFの効果を解析し、アルツハイマー病による学習記憶障害に対するHGFの改善効果の分子作用メカニズムを生化学的および病理学的に解析中である。また、再生医療の目覚ましい進歩を踏まえ、HGFは神経細胞死を抑制する神経保護作用だけでなく、神経新生を促す可能性が考えられていることから、ブロモデオキシウリジン(BrdU)を用いた細胞増殖活性を解析し、その可能性を検証中である。これらの解析を平成22年度も継続して実施して得られた解析結果を総合的に評価し、アルツハイマー病に対するHGFの治療効果の評価、および、その分子作用メカニズムを解明する。アルツハイマー病に対するHGFの改善(治療)効果が明らかになれば、HGFがアルツハイマー病に対して根本的な治療薬となる可能性があり、とても意義のあるものである。
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