皮質の興奮性の神経終末は、intra cortical afferentsとthalamocortical afferentsの2種類が主であると考えられる事から、皮質細胞の各サブタイプがどちらの入力をより強く受けているのかを知る事は、回路構築を明らかにする上で非常に大切な事である。これまでに、非錐体細胞のサブタイプの一つであるparvalbumin陽性神経細胞にどのような興奮性入力が分布しているかをレーザーコンフォーカル顕微鏡を使って計測した。その結果、thalamo-cortical afferentは、parvalbumin陽性神経細胞の樹状突起にはほとんどコンタクトを形成しない事がわかった。その一方で、intra-cortical afferentは、parvalbumin陽性神経細胞の樹状突起に頻度高くコンタクトしている事がわかった。22年度は、レーザーコンフォーカル顕微鏡で観察したシナプス結合と思われるコンタクトが、実際に、シナプス接着しているかどうかを、電子顕微鏡を使って確認したが、その約8割が、parvalbumin陽性神経細胞にシナプスを作っている事が確認できた。したがって、レーザーコンフォーカル顕微鏡に基づく本研究で得られた観察結果は、シナプス入力を反映していると考えている。
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