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2008 年度 実績報告書

神経系の発生、発達、再生過程におけるGABAシグナルの変化

研究課題

研究課題/領域番号 20500310
研究機関琉球大学

研究代表者

高山 千利  琉球大学, 医学部, 教授 (60197217)

キーワードGABA / GABA transporters / KCC2 / spinal cord / development / brain stem / regeneration / immunohistochemistry
研究概要

GABAシグナルの神経糸の発生及び再生への関与を明らかにする目的で、2つ方法でアプローチを行った。1つは、胎児マウスの脊髄における、GABA伝達機構の発達変化である。脊髄は、中枢神経系の中で最も神経管の形態を保った器官であり、GABA伝達機構の発生のもっとも基本形を明らかにすることが出来る。中心管周囲で細胞分裂サイクルを脱した細胞が外側から貯まっていくが、最初に分裂を終了した細胞は発生10日目にはKCC2を発現する。同時に、微量のVGATを発現している。しかし、その後にGABAを含有する細胞が多数出現するがKCC2及びGABAシナプスのマーカーとなるVGATの発現は2日程度遅れる。この現象は、大脳皮質の場合の分子層および皮質板と同様の経過であり、灰白質においては、シナプス外に放出されたGABAが興奮性に作用して、突起伸展、神経回路形成などに関与すると考えられた。また、当初はGABAニューロンばかりであるが、3〜5日遅れてグリシンニューロンが発生することから、GABAニューロンからグリシンニューロンへの変換が起こっている可能性が示唆された。2つ目は、末梢神経系を用いた神経再生機構の解析である。舌下神経の切断モデルを用いて研究を行っている。同時に、脊髄神経においても実験を開始した。軸索切断を行うと、GABA伝達に関与する分子の発現・局在にほとんど変化を生じない。しかしながら、GABA機能の興奮性/抑制性を決定するKCC2の発現量が切断側で大幅に減少していた。GABA伝達機構は研究代表者のこれまでの研究により、複雑なステップを経て形成されることが解っているが、神経系の再生過程においては、それを繰り返すのではなく、GABA伝達の大枠はそのままで、KCC2という分子の発現を減弱させ、GABAの作用が抑制性から興奮性に変化することにより突起伸展が再開されていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] CGI-58 is an alpha/beta hydrolase in lipid transporting lamellar granules of differentiated keratinocytes2008

    • 著者名/発表者名
      Akiyama M, Sakai K, Takayama C, Yamanaka Y, McMillan J R, Shimizu H
    • 雑誌名

      Am J Pathol 173

      ページ: 1349-1360

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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