研究課題/領域番号 |
20500316
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
薛 昊がん 日本医科大学, 医学部, 助教 (10328809)
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研究分担者 |
加藤 昌克 日本医科大学, 医学部, 准教授 (90143239)
飯島 典生 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00285248)
戸張 靖子 日本医科大学, 大学院・医学研究科, ポスト・ドクター (90453919)
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キーワード | GnRHニューロン / 思春期 / spine / 視索前野 / 形態変化 / 生殖 |
研究概要 |
平成20年度の実験研究については、GnRHプロモータにEGFP遺伝子を組み込んで開発したトランスジェニクラットを材料として、共焦点レーザ走査顕微鏡を利用して、コンピューター画像処理によって、GnRHニューロン形態の三次元画像の構築と解析を行った。 GnRHは主に視索前野に存在するGnRHニューロンによって魔生されている。思春期発動に伴ってGnRHニューロンの形態にも何らかの変化が起っている可能性があるが、その形態的変化に関して十分な検討はなされていない。本研究では、新しいアプローチで思春期前後の視索前野のGnRHニューロンの形態を詳細に検討した。GnRHニューロンは、主に単極性と双極性であり、spine様の突起を持つか否かによってさらにsmooth typeとirregular typeに分けられる。思春期前後の動物のいずれでも、双極性ニューロンにはsmooth typeが多く、単極性ニューロンにはirregular typeが多かった。思春期後の動物では双極性GnRHニューロンが多く見られ、逆に思春期前の動物では単極性のほうが多いことが確認された。GnRHニューロンには、特にirregular typeのGnRHニューロンに多くのspine様が確認された。GnRHニューロンへのシナプス入力を調べるために、Synaptophysin二重蛍光免疫染色を行った。GnRHニューロンへ入力するpresynaptic terminalsは主にGnRHニューロンのspineに分布している。思春期発動に伴い、GnRHニューロンへのシナプス入力を増加することが確認された。 以上の結果により、動物の成熟に伴いGnRHの機能的活性が上昇するに従って、GnRHニューロンの形態やシナプス形成も変化し、機能的成熟と相関する可能性が示唆された。現在、これらのデータを含む論文を投稿準備中。
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