研究課題/領域番号 |
20500316
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
飯島 典生 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00285248)
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研究分担者 |
加藤 昌克 日本医科大学, 医学部, 准教授 (90143239)
戸張 靖子 日本医科大学, 大学院・医学研究科, ポストドクター (90453919)
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キーワード | GnRHニューロン / ラット / 視床下部 / 生殖神経内分泌 / kisspeptin |
研究概要 |
生殖神経内分泌の中核であるGnRHニューロンへの入力に関して形態学的な検討を行った。GnRHニューロンへの制御入力として、kisspeptinが近年注目を集めている。我々はkisspeptinに対する抗体を作製して、kisspeptin以外のへの交叉反応をNeuropeptide FFを前吸収させることのより除外して、kisspetin神経細胞体、神経線維を特異的に可視化することに成功した。この染色法を用いてGnRHニューロンへのkisspeptin神経線維の連絡を検討したところ、細胞体周囲にkisspeptin神経線維はほとんど検出されなかった。またGnRH神経は正中隆起に投射され、その近傍でkisspeptin神経線維と混在が認められたが、明確な接触は観察し得なかった。この傾向は思春期の前、中、後でも一貫していた。この結果は生理学的、分子遺伝学的に示されている"kisspeptinによるGnRHニューロンの制御"に関して、形態学的にはまだ支持をしえないことを示している。一方Kisspeptin神経線維は背側弓状核に密な分泌が観察された。この領域は下垂体からのプロラクチン分泌を制御するドーパミンニューロンが分布する。Kisspeptin神経線維はドーパミンニューロンとの密な接触が多く観察され、脳室へのkisspeptin注入によりドーパミン神経細胞へのcFosの発現を観察した。以上の結果はkisspeptinから、ドーパミンを介したプロラクチン分泌の制御、更にはプロラクチンの脳内への浸潤によるGnRHニューロンを含めた神経内分泌制御の可能性を示唆している。
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