研究概要 |
嗅神経被覆細胞(OEC)の移植による損傷後の神経再生が線維性瘢痕の形成抑制によることを見出した(Teng et al.,2008;Teng et al.,2010)。線維性瘢痕を形成する髄膜の線維芽細胞にはtransforming growth factor-ss(TGF-ss)の受容体が発現し(Komuta et al.,2010)、TGF-ssの機能阻害剤を損傷部へ投与すると、線維性瘢痕の形成が抑制された(Yoshioka et al.,2011)。そこで、アストロサイトと線維芽細胞の共培養系にTGF-ss1を添加すると線維性瘢痕によく似た細胞構築と遺伝子発現を持つ細胞集塊が形成された(Kimura-Kuroda et al.,2010)。以上の結果から、線維性瘢痕の形成には損傷後増加するTGF-ssが関与すると結論された。
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