副腎髄質褐色細胞腫由来のPC12D細胞におけるV-1によるチロシン水酸化酵素(TH)の機能発現制御メカニズムの解明 PC12D細胞にV-1 siRNA(5 nM)をトランスフェクションし、6日間培養してV-1をノックダウンした結果、Western blot法でTHタンパク質発現の減少が観察された。また、マウス骨髄間質細胞由来の前駆脂肪細胞であるMC3T3-G2/PA6細胞において、V-1がnotchシグナリングにおいてnotchリガンドとして機能し脂肪細胞分化抑制因子として働く分泌タンパク質の遺伝子発現調節機構においてpositive regulatorをとして働き、MEK/ERK依存的シグナル伝達を促進する活性を持つことをV-1レトロウイルスを用いたgain of functionの実験およびV-1 siRNAを用いたloss of functionの実験で証明した。さらに、この分泌タンパク質は副腎髄質およびPC12D細胞などで発現することを免疫組織学的解析、Western blot法およびRT-PCR法で確認した。そこでいこの分泌タンパク質の5nMのsiRNAをPC12D細胞にトランスフェクションし、6日間培養してノックダウンした結果、THタンパク質の発現レベルの低下が観察された。これらの所見はV-1がnotchシグナリングを仲介してTHの遺伝子発現を促進性に制御している可能性を示唆する。現在、PC12D細胞におけるV-1レトロウイルスを用いたgain of functionの実験およびV-1 siRNAを用いたloss of functionの実験で得られた細胞より回収したリン酸化タンパク質の解析準備中である。
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